電子契約にできる契約とできない契約:書面が要件の規定を条文で確認する

契約は原則として方式が自由で、電子でも結べます。例外は、法令に書面の定めがある契約です。多くの規定に電磁的記録の特則がありますが、承諾などの条件が付くものや、公正証書のように電子契約サービスでは足りないものもあります。確認の手順と、主な類型の一覧を示します。

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電子契約に何でもできると考えて、承諾を取らずにメールで済ませたり、反対に電子では無効と考えて、特則のある契約まで紙で処理したりする失敗が、どちらも起きています。

このページの要点

  • 原則は方式自由(民法522条2項)。例外は、書面が効力要件のもの、書面の交付が義務のもの、公正証書が要件のものの三つの型。
  • 保証契約(民法446条3項)、定期借地・定期建物賃貸借(借地借家法22条2項・38条2項)などは、電磁的記録でよいとする特則がある。
  • 建設業法19条3項、宅地建物取引業法37条、借地借家法38条4項などは、相手方の承諾を得た電磁的方法による提供を認める。細目は省令等で確認する。
  • 公正証書が要件の契約は、電子契約サービスでは足りない。公証人法36条による作成の手続が別に必要。

結論:原則は電子で結べる。例外は「書面が要件」の規定ごとに、条文で確かめる

「電子契約にできない契約はあるのか」という疑問に、一言で答えるなら、契約は原則として、書面を作らなくても成立し(民法522条2項)、したがって電子の方法でも結べます。ただし、「法令に特別の定めがある場合」は別です(同項)。法律が、特定の契約について、書面の作成や、書面の交付を、効力の要件や義務としている場合があり、その規定が、電磁的記録でも足りるとしているのか、いないのかを、個別に確かめる必要があります。

そして実際には、書面を要件とする規定の多くが、近年の改正で、電磁的記録によるときは書面によったものとみなす、あるいは、相手方の承諾を得て電磁的方法で提供できる、という特則を置いています。つまり、「電子化できない契約」は、思われているほど多くありません。それでも、どの契約が電子で足り、どの契約が足りないのか、足りるとしても承諾などの追加の条件があるのかは、規定ごとに違います。

  • 原則:契約の成立に方式は要らない(民法522条2項)。書面がなくても、メールやチャットでも成立し得る。
  • 例外の型は大きく三つ。①書面がないと効力が生じないが、電磁的記録によるときは書面とみなす特則があるもの(保証契約など)、②書面の交付が義務だが、承諾を得た電磁的方法による提供が認められるもの、③公正証書が要件で、公正証書の作成そのものを別のルートで行うもの。
  • 電磁的記録でよいとされていても、「承諾が必要」「署名・記名押印に代わる措置が必要」などの条件が付くことがある。条件は、政令や省令で定められていることが多く、条文だけでは分からない。
  • 契約の種類を問わず使える確認の手順は、①その契約に特別の方式の定めがあるか、②定めがあるなら電磁的記録の特則があるか、③特則に付いた条件は何か、の三つ。
  • 個別の業種の書面や、法定書面の手順は別のガイドで扱う。このページは、横断の一覧と考え方に絞る。

書面の交付の電子化は書面交付のページ、契約書の末尾に置く電磁的記録の条項は電子締結条項のページで扱います。

確認の手順:契約の種類から、特別の方式の定めを探す

電子で結べるかどうかを確かめるには、まず、その契約に「書面でしなければならない」「書面で行わなければ効力を生じない」「書面を交付しなければならない」といった定めがあるかどうかを探します。次に、その定めに、電磁的記録でもよいとする特則があるかを確かめます。

電子化の可否を確かめる手順

  1. 1 契約の種類と、根拠になり得る法律を挙げる売買、請負、賃貸借、保証、金銭の貸借、委任など、契約の種類を特定し、その契約に関わる業法や消費者保護の法律を挙げます。取引の相手方が消費者か事業者かでも、適用される法律が変わります。
  2. 2 「書面」を求める条文を探す「書面でしなければならない」「書面を作成し」「書面を交付し」といった文言を探します。民法の規定、業法の規定、特別法の規定の三つの層を見ます。
  3. 3 その条文に、電磁的記録の特則があるか確かめる同じ条文の後の項や、別の条に「電磁的記録によってされたときは、書面によってされたものとみなす」「承諾を得て電磁的方法により提供することができる」といった規定がないかを見ます。
  4. 4 特則に付いた条件を確かめる承諾の取得、署名・記名押印に代わる措置、提供の方法の指定など、条件が付くことがあります。条件の細目は、政令や省令に委ねられていることが多く、所管官庁の資料で確かめます。
  5. 5 特則がなければ、書面または別の方式で行う特則がないときは、書面で行う、または、その書面に代わる手続(公正証書など)で行う方向で組み立てます。電子で行ってよいか判断できないままに、電子で進めることは避けます。

この手順は、条文を探す順序の整理です。当てはまるかどうかの最終的な判断は、条文の原文と、所管官庁の資料で確認が必要です。

型その1:書面が効力の要件で、電磁的記録の特則があるもの

契約の効力の発生に書面が要る場合、電磁的記録によるときは書面によったものとみなすという特則が、複数の法律に置かれています。民法と借地借家法から、現行の条文を見ておきます。

書面が要件の契約と、電磁的記録の特則(現行の規定)

民法446条2項・3項(保証契約)

保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない(2項)。保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、書面によってされたものとみなす(3項)。

読むとき保証契約は電磁的記録で結べる。書面を作らない口頭の保証は効力を生じない。

民法587条の2(書面でする消費貸借)

書面でする消費貸借は、約束だけで効力を生ずる。消費貸借がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、書面によってされたものとみなす(4項)。

読むとき金銭の貸借を電子で結べる。借主が受け取るまで解除できるなどの効果は、書面でする消費貸借に付く(2項・3項)。

借地借家法22条(定期借地権)

存続期間50年以上の借地権で、更新がないなどの特約をするには、公正証書による等書面によってしなければならない(1項)。特約が電磁的記録によってされたときは、書面によったものとみなす(2項)。

読むとき定期借地権の特約は、電磁的記録でもできる。

借地借家法38条1項・2項(定期建物賃貸借)

期間の定めがある建物の賃貸借で、更新がないこととする旨の定めは、公正証書による等書面によって契約をするときに限りできる(1項)。電磁的記録によってされたときは、書面によったものとみなす(2項)。

読むとき更新のない建物賃貸借の契約を電子で結べる。事前説明の書面の扱いは別の項(3項・4項)。

借地借家法39条(取壊し予定の建物の賃貸借)

建物を取り壊すべきことが明らかな場合の賃貸借の特約は、取り壊すべき事由を記載した書面によってしなければならない(2項)。電磁的記録によってされたときは、書面によったものとみなす(3項)。

読むとき取壊し予定の賃貸借の特約も、電磁的記録でできる。

これらは「効力要件としての書面」の例で、書面の交付義務とは別の型です。

この型の特徴は、電磁的記録によるときに、承諾などの条件が条文上は書かれていないことです。民法446条3項は、保証契約が「その内容を記録した電磁的記録によってされたとき」と定めるのみで、相手方の承諾は要件になっていません。したがって、保証契約を電子で結ぶ場合、電子署名など、後に争いになったときに内容と合意を示す工夫は必要ですが、書面とみなされるための条文上の追加の手続はありません。

一方で、条文の定めと、実務で電子化しやすいかは別の問題です。たとえば、保証契約は、保証人に対する説明や、保証人の意思確認が重視される類型です。電子で結べるとしても、保証人が内容を十分に理解して署名したことを、どのように記録するかは、署名前の説明の問題として残ります。署名前の説明の考え方は署名前の説明のページで扱います。

「その内容を記録した電磁的記録によってされたとき」の読み方

これらの特則の文言は、いずれも「その内容を記録した電磁的記録によってされたとき」という形をとっています。書面とみなされるのは、契約の内容が電磁的記録として記録され、その記録によって契約がされた場合です。口頭で合意した内容を、後からメールで確認するだけの場合に、記録によって契約がされたと評価されるかどうかは、合意の経過と記録の作られ方という事実関係によります。書面が効力の要件である契約では、この点があいまいなまま進めると、効力そのものが問題になります。

  • 契約の内容の全部が、一つの電磁的記録に収まっているか。別紙や添付ファイルがある場合は、本体と一体のものとして記録されているか。
  • 当事者双方の意思が、その記録の上で示されているか。署名や承諾の操作が、記録に残っているか。
  • 記録が後から書き換えられていないことを、確かめられるか。電子署名やタイムスタンプなどで、改変の有無を確認できる状態にしておく。
  • 記録を、契約の期間中、必要なときに取り出せる形で保存できるか。

書面が要件の契約では、通常の契約以上に、署名の方式や保存の方法を丁寧に選ぶ意味があります。署名の方式の違いは署名の方式のページ、保存の考え方は時刻証明・保存のページで扱います。

型その2:書面の交付が義務で、承諾を得た電磁的方法が認められるもの

契約書そのものではなく、契約の際に交付しなければならない書面について、電磁的方法による提供を認める規定が、いくつかの法律に置かれています。ここでは、建設工事の請負契約と、定期建物賃貸借の事前説明、宅地建物の取引の書面を取り上げます。

書面の交付・記載に関する規定と、電磁的な手段の特則

法律・条文書面に関する定め電磁的な手段の特則
建設業法19条建設工事の請負契約の当事者は、契約の締結に際して一定の事項を書面に記載し、署名または記名押印をして相互に交付する(1項)。変更も同様(2項)。政令で定めるところにより、相手方の承諾を得て、国土交通省令で定める措置(署名等に準ずるもの)を講じることができ、その場合は書面の措置を講じたものとみなす(3項)
借地借家法38条3項・4項定期建物賃貸借をするとき、賃貸人はあらかじめ、更新がないことなどを記載した書面を交付して説明する(3項)。政令で定めるところにより、賃借人の承諾を得て、電磁的方法で提供でき、その場合は書面を交付したものとみなす(4項)
宅地建物取引業法37条売買・交換に関し、契約を締結したとき、遅滞なく一定の事項を記載した書面を交付する(1項)。貸借は2項。政令で定めるところにより、相手方等の承諾を得て、国土交通省令で定める電磁的方法で提供でき、書面を交付したものとみなす(4項・5項)
宅地建物取引業法34条の2媒介契約を締結したとき、遅滞なく一定の事項を記載した書面を作成して記名押印し、依頼者に交付する(1項)。政令で定めるところにより、依頼者の承諾を得て、国土交通省令で定める電磁的方法で提供でき、記名押印し交付したものとみなす(11項)

この型に共通する点は、相手方の「承諾」が条件になっていることです。電磁的方法による提供の方法の細目、承諾の取り方、承諾の撤回の可否などは、政令や省令に定められており、条文本体からは読み取れません。細目は所管官庁の資料で確認が必要です。承諾の取り方と、承諾を記録する方法は、書面交付のページで整理します。

また、建設業法19条1項が、書面に「署名又は記名押印をして」交付することを求めている点にも注意が必要です。電磁的方法による特則は、この署名または記名押印に代わる措置として、国土交通省令で定める措置を求めています(同条3項)。電子契約サービスで契約を結んでも、国土交通省令の要件を満たす措置になっているのかは、利用するサービスの仕組みと省令で確かめる必要があります。

条文の外側にある確認事項:政令・省令・所管官庁の資料

型その2の特則は、いずれも「政令で定めるところにより」「国土交通省令で定める」などの形で、細目を下位の法令に委ねています。そのため、条文だけを読んで「承諾を得れば電子でよい」と理解しても、実際に何をすれば承諾を得たことになるのか、どのような提供の方法が認められるのかは、分かりません。確認が必要な事項は、次のように整理できます。

  • 承諾の方式:書面で取る必要があるのか、電子的な方法でもよいのか。承諾の前に、相手方に説明すべき事項があるのか。
  • 提供の方法の種類:電子メールへの添付、ウェブ上の閲覧、記録媒体の交付のうち、どれが認められているのか。
  • 署名・記名押印に代わる措置:書面に署名や記名押印が求められている場合に、電磁的方法ではどの措置が代わりになるのか。
  • 提供後の確認:相手方が受け取ったことをどのように確かめるのか、相手方が出力できる形式である必要があるのか。

これらは、法令の改正で変わることがあります。電子化の可否を判断するときは、条文と政令・省令を、現行の規定で確かめることが前提になります。電子化してよいか判断できない場合は、電子で進めずに書面で行うか、条文と所管官庁の資料で確かめてから進めるのが、安全な扱いです。

型その3:公正証書が要件の契約と、公正証書の電磁的な作成

契約の中には、公正証書によってしなければならないものがあります。たとえば、借地借家法23条3項は、事業用の定期借地権(同条1項・2項)の設定を目的とする契約は、公正証書によってしなければならないと定めています。この場合、契約書の締結を電子契約サービスで行うことでは、要件を満たしたことになりません。公正証書の作成そのものが、公証人の事務だからです。

公正証書の作成方法は、近年改められています。公証人法36条は、公証人は、嘱託があった場合には、電磁的記録をもって公正証書を作成することにつき困難な事情がある場合は書面で、それ以外の場合は電磁的記録で作成するものとすると定めています。つまり、現行法では、原則として電磁的記録で公正証書を作成し、困難な事情がある場合に書面とされています。電磁的記録に関する事務は、法務大臣の指定した公証人(指定公証人)が取り扱います(同法7条の2)。

公正証書に関する公証人法の規定(現行)

公証人法36条(書面又は電磁的記録による公正証書の作成)

公証人は、嘱託があった場合には、電磁的記録をもって公正証書を作成することにつき困難な事情がある場合は書面、それ以外の場合は電磁的記録をもって、公正証書を作成する。

読むとき作成の方法を決めるのは公証人の側。当事者が電子契約サービスで結ぶ契約書とは別の手続になる。

公証人法7条の2(指定公証人)

電磁的記録に関する事務は、法務大臣の指定した公証人(指定公証人)が取り扱う。指定は告示で行う。

読むときどの公証人が電磁的記録の事務を扱えるかは、告示と法務省の資料で確かめる。

公正証書の利用の要件、手続の流れ、費用、指定公証人の範囲は、条文と法務省の資料で確認が必要です。公正証書の作成は公証人の事務であり、このガイドは、電子化の可否の整理にとどめます。

ここで押さえておきたいのは、公正証書が要件の契約では、電子契約サービスで契約を結ぶこと自体が、法律上の要件を満たす手続にはならないことです。電子契約サービスで締結した契約書に、公正証書の代わりの効力が生じるわけではありません。公正証書が要件の契約については、公証人による作成の手続を踏む必要があります。

電子化の可否の一覧

ここまでの内容を、契約の類型別に一覧にします。この表は主な類型の整理であり、すべての契約を網羅するものではありません。

契約の類型と電子化の可否(主な類型)

類型書面に関する定め電子化の可否の整理
一般の契約(売買、請負、委任など)特別の定めがない限り、方式は要らない(民法522条2項)電子で結べる。書面を作らなくても成立し得る
保証契約書面でしなければ効力を生じない(民法446条2項)電磁的記録で足りる(同条3項)
書面でする消費貸借書面でする消費貸借の特則(民法587条の2)電磁的記録で足りる(同条4項)
定期借地権・定期建物賃貸借・取壊し予定の賃貸借書面による特約が要件(借地借家法22条・38条・39条)電磁的記録で足りる(22条2項、38条2項、39条3項)
建設工事の請負契約書面への記載と署名または記名押印、相互の交付(建設業法19条1項・2項)相手方の承諾を得て、国土交通省令で定める措置で足りる(同条3項)
宅地建物の取引の書面契約成立時等の書面の交付(宅建業法37条)、媒介契約の書面(34条の2)承諾を得て電磁的方法で提供できる。細目は国土交通省令等で確認が必要
事業用定期借地権の設定契約公正証書によってしなければならない(借地借家法23条3項)電子契約サービスでは足りず、公証人による作成が必要。作成方法は公証人法36条と法務省の資料で確認が必要

表にない契約、たとえば、特定の業種に固有の書面の定めや、消費者向けの取引の書面の定めは、その契約が属する法律の条文で確かめる必要があります。見落としやすいのは、法律の本体ではなく、政令や省令、所管官庁のガイドラインに定められている条件です。

確認の問いと理由電子化の可否を確かめるときの問いと理由

  1. この契約に、書面でしなければならない、書面を交付しなければならないという定めはあるか

    民法522条2項は、法令に特別の定めがある場合を除いて方式を要しないとする。特別の定めの有無が、最初の分かれ目になる。

  2. その定めに、電磁的記録でもよいとする特則があるか

    同じ条文の別の項や、別の条にあることが多い。保証契約や定期借家のように、契約を電磁的記録で結べば書面とみなす型か、交付に代えて提供できる型かを見分ける。

  3. 特則に、承諾や省令の措置などの条件が付いていないか

    条件があるのに満たさないまま電子で進めると、書面の要件を満たさないことになる。条件の細目は政令・省令にある。

  4. 相手方は、電子で行うことに納得しているか

    法律上電子でよくても、相手方が紙を望むなら、紙の選択肢を用意しておく方が、後の争いを避けやすい。

  5. 電子で結んだ後、必要なときに取り出せる形で保存できるか

    書面が要件の契約ほど、内容を後から示す場面が生じやすい。保存と取り出しの手段を、署名の前に確かめる。

上の問いは、一つの契約について順に確かめる想定です。答えが出ない問いが残る場合は、電子で進めるのを保留します。

問いの二つ目と三つ目は、条文を読めば答えが出ることが多い部分です。四つ目と五つ目は、条文からは出ない、実務の判断です。両方を揃えて初めて、電子で結ぶ準備が整います。

電子で結べる契約でも、電子にしない方がよい場面

法律上は電子で結べる契約でも、実務的に、電子にしない方がよい場面があります。判断の軸は、争いになったときの立証の見込みと、相手方が電子の手続に対応できるかどうかです。

電子にしない、または併用した方がよい場面の例

  • 相手方が、電子署名の操作に不慣れで、署名の意味を理解したことを確かめにくい。紙の契約も選べる形にしておく。
  • 保証契約のように、署名者本人の意思確認が重視される契約で、本人性を確かめる仕組みが、メールの経路だけにとどまる。
  • 契約の相手方または関係者の側に、電子で保管する体制がなく、長期間の保管や取り出しに不安がある。
  • 契約の内容が、公正証書や登記など、別の手続と組み合わさる場合で、手続側の要件が電子に対応していない可能性がある。
  • 書面が要件であっても、電磁的記録の特則に付く条件(承諾、省令の措置)を満たせるかが、利用するサービスの仕組みから確認できない。

電子化できるかどうかの判断は、契約の種類の一覧だけで終わりません。署名の方式の選び方は署名の方式のページ、署名者の確認は本人・権限のページと併せて考えると、契約の重要度に応じた設計ができます。

起きがちなこと

電子化の可否で起きがちなこと

  • 「電子契約は何でもできる」と思い込み、書面の交付義務がある契約を、承諾を得ないままメールで済ませる。
  • 逆に、「電子では無効」と思い込み、電磁的記録の特則がある契約まで、紙で処理して手間をかける。
  • 公正証書が要件の契約を、電子契約サービスで結んで足りると考える。
  • 特則の条件(承諾、省令の措置)を、サービスの機能だけで満たしたと思い込み、省令の要件を確かめていない。
  • 契約の種類が複数の法律にまたがるのに、一つの法律の確認で止まる。
  • 相手方から「紙でお願いしたい」と言われたのに、電子で進めて関係がこじれる。
  • 電子化できる契約の範囲を、古い情報で判断し、改正後の規定を確認していない。

よくあるご質問

電子契約にできない契約は、あるのですか?

契約は原則として方式が自由で(民法522条2項)、電子でも結べます。ただし、法令に特別の定めがある場合は別です。多くの規定に電磁的記録の特則がありますが、公正証書が要件の契約のように、電子契約サービスでは要件を満たさないものもあります。契約の種類ごとに、条文で確かめます。

保証契約は、電子契約で結べますか?

民法446条3項により、保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、書面によってされたものとみなされます。電子で結べますが、保証人の意思確認と説明を、どのように記録するかは別途の工夫が必要です。

定期建物賃貸借を電子で結ぶ場合、事前説明の書面はどうなりますか?

契約自体は、電磁的記録でも書面とみなされます(借地借家法38条2項)。事前説明の書面は、賃借人の承諾を得て、電磁的方法で提供できます(同条4項)。承諾の取り方や提供の方法の細目は、政令・省令と所管官庁の資料で確認が必要です。

公正証書が必要な契約は、電子契約サービスで結べますか?

公正証書が要件の契約は、電子契約サービスで契約書を結んでも要件を満たしません。公正証書の作成は公証人の事務で、公証人法36条により、原則として電磁的記録で作成され、困難な事情がある場合に書面とされています。利用の要件や手続は、法務省の資料で確認が必要です。

書面が要件の契約かどうか、どう調べればよいですか?

契約の種類と関連する法律を挙げ、「書面でしなければならない」「書面を交付しなければならない」という文言を探します。次に、同じ条文や別の条に電磁的記録の特則があるかを確かめ、特則に付く条件(承諾、省令の措置)を、政令・省令と所管官庁の資料で確認します。

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本ページは一般的な情報提供です。個別の契約への当てはめは、契約の種類、相手方との関係、利用する電子契約サービスの仕組みによって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、契約書作成の実務の経験をもとに、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や取引を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で現行の規定を確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 総務省 / 法務省 / 経済産業省 / デジタル庁

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